タスクに合わせてAIモデルを選ぶには

AIの世界は急速に進化しており、利用できるAIモデルも多種多様です。そのため、どのモデルを選べばよいか迷うこともあるでしょう。最適な選び方は、「自分が何をしたいか」というタスクから出発し、そのタスクを最もサポートできるAIモデルを選ぶことです。これがタスク・ファーストアプローチです。


1. まず“やりたいこと”から考えましょう

AIモデルや技術の名前に飛びつく前に、日々の業務を見直してみてください:

  • 日常的または複雑な作業で時間がかかっているものは何ですか?

  • より速いコンテンツ作成や高度な分析、賢い問題解決が必要な場面はどこですか?

  • 言語・数値・画像・データレビューなど、どのプロセスにAIが役立ちそうですか?

これらの問いに答えることで、AIが業務を加速できる領域や、逆に効果が薄い領域を特定できます。

実際のタスクに基づいてAIを選ぶことで、無駄なく最適な意思決定ができます。


2. 必要なAIモデルのタイプを定義する

AIエコシステムを効果的に活用するには、AIモデルが大きく3つのカテゴリに分かれることを理解するのが近道です:

生成モデル(Generative Models)推論モデル(Reasoning Models)Deep Researchモデルです。

それぞれ特徴・強み・最適な用途が異なります。

生成モデル(Generative Models)

概要

生成モデルは、主に新しいコンテンツを生成するために事前学習されたモデルです。膨大なデータセットで訓練され、人間らしいテキストや画像、その他のメディアを生成できます。

強み

よくある・繰り返しのタスクに高速・効率的に対応でき、自然言語生成に優れます。ただし、スピード重視のため精度がやや犠牲になる場合もあります。

最適な用途

  • 文章作成・編集

  • 情報の要約

  • シンプルな質問への回答

  • スピーディなコンテンツ生成やクリエイティブ作業

  • 繰り返し・定型的なタスクで素早い出力が求められる場面に最適(精度が必要な場合は専門モデルが有利)

ユースケース例

メール文案作成、長文要約、アイデア出し、マーケティングコピー作成、チャット応答生成など

Doraverseで利用できる生成AIモデル例

  • ChatGPT: GPT-4o、GPT-4.1、GPT-4.1-mini

  • Llama: Llama 4 Maverick、Llama 4 Scout

  • Claude: Claude 3.5 Haiku

  • Perplexity: Sonar、Sonar Pro

  • SuperGrok: Grok 3

  • DeepSeek: Deepseek Chat(DeepSeek-V3)


推論モデル(Reasoning Models)

概要

推論モデルは、複雑な推論タスクを実行できるAIモデルです。一般的なLLM(大規模言語モデル)が次に来る単語を統計的に予測して素早く出力を生成するのに対し、推論モデルは質問を複数のステップに分解し、「Chain of Thought(CoT)」プロセスを通じてより正確な答えを導き出します。このため、推論モデルはより人間らしい思考プロセスを持っています。

強み

結論に至るまでの思考過程を説明できるため、ユーザーがAIの提案内容を理解しやすくなります。特に戦略的・技術的なタスクでAIの信頼性が高まります。

最適な用途

  • 複雑な問題解決

  • コードのデバッグ

  • 詳細なデータ分析

  • ファクトチェック など

ユースケース例

ソフトウェアコードのデバッグ、大規模データセットからのインサイト抽出、AI生成コンテンツの真偽判定、AI分析に基づく重要な意思決定など

Doraverseで利用できる推論AIモデル例

  • ChatGPT: o4-mini、o3-mnini

  • Gemini Advanced: Gemini 2.5 Flash、Gemini 2.5 Pro

  • Claude: Claude 3.7 Sonnet

  • Perplexity: Sonar Reasoning、Sonar Reasoning Pro

  • SuperGrok: Grok 3 Mini(Thinking)

  • DeepSeek: Deepseek Reasoner(DeepSeek-R1)


ディープリサーチAI(Deep Research AI

概要

Deep Research AIは、外部データソースと連携し、徹底的なリサーチと情報統合を行う高度なAIシステムです。多様な情報源を横断的にクロールし、網羅的なレポートを作成します。

強み

複数の情報源を参照・照合するため、非常に高い網羅性と正確性を実現します。一方で、データ取得と処理に時間がかかるため、応答速度はやや遅くなる傾向があります。

最適な用途

  • 市場調査

  • 科学・技術分析

  • 博士課程レベルのリサーチ

  • 競合情報の収集 など

ユースケース例

詳細な市場分析レポートの作成、学術・科学文献レビュー、トレンド予測、競合情報の網羅的な収集など

Doraverseで利用できるDeep Research AIモデル例

  • Perplexity: Sonar Deep Research

タスク起点でAIモデルを選ぶ重要性を理解したら、次のステップは「各AIモデルの機能・特性」を把握することです。

さらに詳しく知りたい方は、『AIモデルの機能別選び方ガイド』もぜひご覧ください。

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